33の導入を行ったり,解説をしておいたりする必要がある。その際は,巻末のExplanation of Pictures and Keywords にもキーワードとなる項目についての解説が掲載されているので,適宜活用してほしい。また,奇数UnitではどのUnitでも意見文を書くのに対し,偶数UnitではそれぞれのUnitで状況設定や書く目的が異なるため,それらを意識させてから活動に取り組ませることで,いつも意見文を書いてしまうことなどが避けられるとよいだろう。9-3. Write:活動前の支援FACTBOOK Iではさまざまな文を書いたのに対して,本教科書のWriteで書く文は,すべてウェブ掲示板へのコメントである。また,自分自身の文を書く前には2つのコメント例を用いて空所を補充する活動を行い,それらを参考として自身の文を書くことができるため,書く際の形式という点では生徒はそれほど困ることはないと思われる。タスクとして示されている内容の背景知識に関しても,Writeに至る前の活動やWriteの活動内でインプットできるよう工夫している。例えば,Unit 1で扱う砂糖税についてはListenの活動で導入していたり,ウェブ掲示板の2つのコメントは砂糖税に対する賛否両面からの意見になっていたりなど,前の活動からのつながりを持たせ,背景知識を得たうえでWriteの活動に取り組めるような設計としている。そのため,活動前に行う支援としてはあまり多くのことを必要としないと思われるが,さらに内容を深めたWriteの活動に取り組ませたい場合は,例えばUnit 1であれば,砂糖税についてのメリットとデメリットをクラス全体で出し合い,アイデアを共有する活動などをしておくと,さらに多様な意見を引き出し,内容についての深い理解を促したうえで書く活動へと移ることが期待できるだろう。そこまでの時間をかけることができない場合には,巻末のExplanation of Pictures and Keywordsを活用して,簡潔にトピックに関する解説を行うこともできる。また,Key words and expressions for thinkingの項目では,ウェブ掲示板に書かれている英文を理解するために必要となる語彙や,書く際に活用することができる表現をまとめてある。生徒はウェブ掲示板の英文を読んで情報を得ることになるが,ここで英文を読むのは書くために必要な情報を得るためであり,英文を読む力をつけること自体を主な目的としているわけではない。そのため,生徒が理解できない語彙等についてはこの項目を活用して簡単に意味を確認させるとよいだろう。9-4. Write:活動中の留意点ウェブ掲示板上では,はじめに一人の人物が話題になっていることについての情報や自分の意見を述べてから問いかけを行う投稿をし,それに対して二人の人物がそれぞれの意見を投稿している形が基本的な構成となっている。それらのコメント中の空所にヒントをもとにして1文を付け足し,3文程度の文章を完成させる活動を行うが,空所に入れる文は必ずしも1つに定まっているわけではなく,同じ内容をさまざまに異なる表現で書くことができる。教師は正解を1つの表現に固定して必ずその方向へと向かわせるのではなく,多様な表現を用いる中でも,そこでは何が重要な要素で,欠かすことができない点は何であるのかなどを生徒に理解させ,必要なポイントに焦点を絞った指導を行いたいところである。また,空所
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