FACTBOOK English Logic and Expression Ⅱ タスク指導の手引き
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23動の流れが途切れてしまうこととなる。文法についてはコミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,ここではあくまでも,生徒が次のSpeak Againで実際に文法を活用することにつなげる指導にすべきであることに注意しておきたい。各吹き出し部分の下部には,その発言が果たしている機能が示されており,1つの発言の中に複数の機能がある場合には,その流れを確認することができる。お互いがInformation Cardに書かれている情報をただ述べるだけではなく,同意や反論を示したり,感想を述べたりして相手の発言に反応し,適宜必要な情報を付け加えるなどしてやり取りが成り立っていることを確認しておきたい。このModel Discussionは,どのようなやり取りを続けていけば目標を達成することができるかを確認し,次のSpeak Again へとつなげていくためのモデルであるため,ここで示されている発言の一つ一つを訳しながら確認していくといった,内容理解が中心となるような活動は避けておきたい。また,次のSpeak Again で活用することを目的とするのであれば,音読や暗唱での練習を取り入れることもできるが,Model Discussionとまったく同じやり取りを行うことがSpeak Againの目的ではないことを踏まえ,暗唱すること自体が目的となる活動にならないように注意したい。1回目のSpeak で各自が適切に表現できなかった箇所や,相手との自然なやり取りができなかったところについて,Model Discussionを参考にすることで,生徒が次の活動ではCan-Doの目標が達成できるように導く指導を行う必要がある。そのため,ここに示されているすべての項目を教え込むのではなく,活動中の生徒を観察することによって把握した,生徒にとって必要な内容に焦点を絞ったうえで,適切に指導する活動としたい。Model Discussionの後に設定されているExtend the Discussionの活動は,話されている内容と合った会話を続けていくことができるようにすることをねらいとしている。ここではModel Discussionの最後にBが発言した内容に関してコメントし,もう一方はそれに対して反応することを行う。関連のない話で会話を続けていくのではなく,相手の発言内容とかみ合った反応を返すことに注意していきたいところであるが,これはディベートの活動を行うときにも非常に重要な要素であるため,普段のやり取りの中から意識させておきたい点である。また,FACTBOOK IのSpeak Moreの活動部分に示されていたように,教師が話の進み方に合わせて返答の選択肢を示すなどの方法を取ることで,議論が進んでいく方向に合わせた対応の方法を意識させる活動とすることもできる。Model Discussionでは内容面から生徒の支援を行いSpeak Againにつなげる活動としているが,各Unitで扱うトピックの内容によってはすでに十分な背景知識が生徒自身に備わっており,Useful Expressionsで言語面の支援を行った後,すぐにSpeak Againに移ることができることも考えられる。その際は,Speak Againを行った後でModel Discussionの内容を確認するなど,順序を入れ替えて指導を行うことも可能である。7-8. Model Discussion の確認(内容面からの支援)Model DiscussionではSpeakで行う活動のモデルとなる会話を掲載している。タスクの目標を達成できるレベルのやり取り例が示されており,主に内容面から生徒の支援を行うものとして活用する項目である。

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