16るような段階を踏むと,生徒が発言する際のハードルが下がり,多くの生徒からの発言を促すことができる。また個々の単語は聞き取ることができ,空所補充を正しく行えたとしても,全体としての内容把握が的確にできていないという場合も考えられるため,必要な場所については教師が内容を別の表現で言い換えるなどして,生徒が内容を理解できるように支援する。また,空所を補充することを目的とさせるのではなく,最初に聞くときには自由な形でノートテイキングをさせ,まずは会話の概要や要点を理解させ,その後に詳細情報の聞き取りに移るという流れも考えられる。同じ会話を聞く活動であっても,取り組みの手順によって扱うスキルや難易度が変わってくるため,扱うトピックの内容や生徒の聞く力,ターゲットとするスキルに応じて取り組み方を決めるとよいだろう。聞き取りを通してCommunication Strategyを学ぶ活動ではあるが,ここで学ぶ表現はさまざまなコミュニケーションの場面で使うことができる表現であることから,聞き取るだけで終わらせてしまうのではなく,ペアになって音読を行うなどして実際にそれらの表現を運用できるようになる練習を行うことが望ましい。またここで扱う表現は,イントネーションや言い方が非常に重要になるものが多いため,生徒が練習する際にはその点を意識させて練習させる必要がある。実際にはここで学んだ表現をその後に行うSpeakで用いることを意図しており,そのため巻末にCommunication Strategyで扱った表現をまとめ,活動中に参照しやすいように表現集として折り込んでいるので,ぜひ活用してほしい。スク活動の構成が以下のように異なる。FACTBOOK IIでは,メインキャラクターの高校生たち以外の人物も会話に登場させることで,世代や社会的な広がりを意識した内容となるようにしている。また,ここで聞く会話はFACTBOOK Iのときよりも内容のある長めのものとなっているが,このようなやり取りを参考にしながら,生徒自身がまとまりのある持続した発話ができるようにつなげていきたい。FACTBOOK IIでは,奇数Unit(1,3,5,7,9)と偶数Unit(2,4,6,8,10)でSpeakのタ6-3. Listen AgainここではListenで聞いた会話を用いて,ある状況で使うことができる表現を学ぶ活動を行う。まずは会話をもう一度聞き,教科書に示されている英文の空所補充を行う。その空所に入る表現は,それぞれCommunication Strategyとして示されている状況で使うことのできる表現であることを確認し,その表現と同様の機能を持つ別の表現を選択肢から選ぶ。ほかの選択肢の機能も含めて,それぞれどのような場面で使えそうか確認することができると,さらに表現の幅を広げていくことができるだろう。7. Speakのタスク活動(奇数Unit)
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