FACTBOOK English Logic and Expression I タスク指導の手引き
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3,4人のグループを作る際にも,座席の位置に応じてABCD(あるいは番号等)を割り当て,例えば各グループのAは同じ役割を行うことにしておくと,教師が活動を観察する際に,どの生徒がどの役割を行っているかを把握することが容易になる(図3)。また,細かいことではあるが,3人グループABABABABABABAB図2ABAB9本教科書の言語活動にはまず目標が設定されており,ある場面,状況の中で,各生徒にはある目的のために行う役割が与えられている。もし教師がそれらの事項を一気に説明して指示を出すとなると,多くの場合生徒は混乱してしまう。それを防ぐため,特に英語で指示や説明を行う場合には,項目を1つずつに分け,教師の1回の発言をできる限り短く簡潔にすることが重要である。一度にすべてを説明した場合には,生徒がどの部分の説明でつまずいてしまったかを把握することも難しくなるが,項目を1つずつ分けることで,生徒が正確に理解できているかどうかをその都度確認しながら進めることが可能となる。また,いくら短く簡潔な説明を準備したとしても,実際に活動の指示を行ってみると生徒に理解させることが難しいことも多い。そのような場合に備え,説明がうまくいかなかった場合には,次はこの方法で説明してみようなど,1つの活動であっても異なる説明の仕方を実際の生徒の反応をイメージしながら準備しておきたい。説明の際にスライドを利用したり,部分的に日本語を用いたりするなどの方法で指示や説明を補うことも考えられるだろう。また,教師は活動の指示を与えるだけでなく,生徒が今まで気づかなかった視点に気づかせ,内容について深く理解するためのきっかけを与えることも重要であるため,指示文を読み上げるだけで終わりにすることなく,実際の生徒の反応を確かめながら必要な事項を補足するようにしたい。黒 板BABAABABABABABAB図1黒 板5-3. 事前準備2:活動形態(ペアやグループの作り方)教師はどのような形態で生徒が活動を行うか,どのように生徒を動かすかということをイメージして準備を行っておきたい。同じペアワークと言っても,どのような活動をするか,その後ペアを替えて同じ活動をするかなどによって,ペアの組み方は異なってくるだろう。例えば教科書のメインのタスクであるSpeak Againでは,その前に行うSpeakからの伸びを実感させるため,あえて同じペアで活動を継続することが考えられる。しかし,各Unitの初めに行うSmall Talkでは,導入活動としてさまざまなアイデアを共有することが有効であるため,ペアで活動を行い,その後何度かパートナーを変えて同じ活動をしてもよいだろう。その際には,左右の生徒ABでペアを組み,活動後には時計回りで1つずつ座席を移動する方法等が考えられる(図1)。また,一方の生徒が黒板に投影されたものを見ながらパートナーにその内容を説明する活動等を行う場合には,前後の生徒でペアを組んで向かい合わせることで,説明を行う生徒Bだけが黒板を見ながら活動を行うことが可能となる(図2)。

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