7意されている書く対象をグループごとに割り当て,協働的に取り組ませることもできる。1文を書いた後にはそれらの共有をしっかりと行い,Write Moreに向けて発想を広げる。Write Moreでは談話完成課題に取り組みながら,2つあるサンプルの展開を比べることで,談話的な気づきを得ることを意図しているが,足場を外して,まずは自分で書いてみてからモデルを参考に書き直すこともできる。Write More+ではWrite Moreの3文に2文を加えてより豊かな展開にするが,モデルに示されているAとBの改善ポイントを意識させることで,TLでのプロセスライティングにつなげる。TLではパラグラフライティングのパートを中心に扱い,Logical Writing TipsのEven better!の活動を通じてライティングのコツをスパイラルに身につけて,プロセスライティングでチェックリストを自律的に活用できるようにする。また,OREOの型に習熟するだけでなく,Analyzing a Discussionをペアで読み合わせるなど,協働的に思考する機会を設け,情報や考えを整理し,判断し,再構築する足場とする。本教科書では,すべてのUnitがペアでSmall Talkを行う活動から始まり,身の回りの3)タスク活動重視型Speak①とSpeak②のスピーキングタスク活動と,WriteとWrite Moreのライティングタスク活動にバランスよく時間をかける。Write More+はレベルや到達段階に応じて扱いを変える。「使用」→「学習」→「使用」の流れを強調し,文法学習はタスク活動での言語表現の体験的な理解の後に位置づける。イラストなどを頼りに,それぞれのタスクの目的・場面・状況の理解に十分な時間をかけ,足場を調整しながら,段階的に「できる感」を育てることを心掛け,Can-Doリストを活用して何ができるようになるのかを意識づける。4)テーマ学習重視型TLに十分な時間をかけられるように,学期に1回重点的に扱うテーマを決めるなどし,それ以外のテーマのUnitのタスク活動は軽重をつけて扱う。ListenやModel Dialogueなどに登場する等身大の生徒たちのいろいろな意見に耳を傾けて視野を広げ,TLの背景資料(Background Information for Thinking)や巻末のキーワード解説も用いながら多様な視点を取り入れ,登場人物とともにテーマ的な学びを深めていくことを促す。5-1. 環境作り生徒が英語を通じさまざまな活動を行うにあたりまず重要なことは,英語を使って授業を行う環境作りである。日頃から生徒の英語による言語活動が中心となるように授業を組み立てていなければ,いざ言語活動を行おうと思っても実践することは難しい。授業の開始時には,生徒にとってハードルの高い言語活動から始めるのではなく,生徒が安心し,また楽しみながら英語を使うことができるウォームアップとしての言語活動を行い,これから英語を使う授業が始まるという意識を持たせて,英語を使うことが自然となるような環境作りを行うことが必要である。5. 活動前の準備・留意点
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