FACTBOOK English Logic and Expression I タスク指導の手引き
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6場面を具体的に想起できるような仕掛けにしてある。Grammar in Contextは,別の文脈での応用的な使用を促すためのものであり,形式に注意を払い,文法事項の使い分けが意図的にできるようになることを狙っている。本教科書の特徴の1つとして,幅広いレベルの活動を1冊の教科書で取り扱っていることが挙げられる。それぞれの活動はテーマ的なつながりを持っており,すべての活動を行うことで,より深くテーマについて考えることを促す。一連のタスク活動を通して,考える視点とともに言語表現の幅が自然と広がり,談話展開もより論理的にまたスムーズな流れとなり,内容と言語を統合的に学習していくことができる。Unitの各活動にはそれぞれ言語的な,また思考のための足場がけの工夫がされており,各Partのテーマ的な学びの中で,UnitとTLの活動を一貫して行うことで,より大きな足場が得られるように設計している。ただし,それぞれの活動は独立性を保つように心掛けており,目の前の学習者のレベルやニーズに応じて柔軟に活動の焦点を変えながら,授業を組み立てることができる。また,各活動における支援の度合いもさまざまに調整することが可能である。文法に関しても,慣れないうちは学習を先行させ,より明示的な指導を行い,言語的な足場がけをしたうえでタスク活動に取り組ませることもできる。以下に,重点活動に応じた活動の組み合わせの例を示す。1)スピーキング活動重視型UnitのSpeak①とSpeak②を中心に授業を組み立てる。Small TalkとListenで十分な背景知識の活性化と口慣らしを行い,各音源を用いながら音声で表現に親しませる。Listenは足場を外し,図の空所補充で要点を確認するだけではなく,その前に各自で自由にノートテイキングをさせることもできる。Listen Againでコミュニケーション方略への気づきを高めたうえで,選択肢の類似表現も含めて口頭練習を行い,Speakで活用できるようにする。Speakのロールプレイ型のタスクでは,イラストをもとにTeacher Talkを行うなどし,状況や目的の理解をインタラクティブに促す。Information Cardにより情報差を設けた各ミッションの理解を深めるため,同じパートの学習者どうしで事前にタスク達成に向けた作戦を立てるなどの足場をかけることも有効である。一方ライティング活動では,基本的にはWriteのみを扱い,各テーマで1回Write Moreまで扱うなどの軽重を設ける。TLは各学期に1回程度に留め,同じテーマのUnitはWrite More+まで扱うことで,TLへの足場とする。TLのAnalyzing a Discussionで実際に話すことも効果的である。2)ライティング活動重視型Unitのスピーキング活動はSpeak①またはSpeak②のいずれかとし,ライティング活動とより関連の高いタスクを行う。Small TalkやListenも軽めの扱いとする。その分WriteからWrite More,Write More+への段階的なライティング指導に時間を割き,Writeの1文の活動においては,タスクで示されたイラストや説明の十分な理解を促す。支援としては,複数用4. 生徒の状況に応じた活動

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