―CASABCSABC26稿に基づいて,ライティング評価として「表現内容」「談話展開」「正確さ」の評価を行い,発表時には「流暢さ」と「発音」の評価を行うことで評価の観点を絞り込むこともできる。こうした言語面からの評価のほか,ノンバーバルな側面も含めた発表の技能の評価として,教科書の紙面にも示されている「声の調子」「表現力」「姿勢」「表情」をタスク達成の条件として定めて評価を行うこともできるだろう。紙面ではピア評価を行う際に,簡易的に①内容・構成,②発音,③声の調子・表現力,④姿勢・表情の項目を3段階の主観的な評価で示しているが,パフォーマンス評価として行う場合には,①と②についてはCEFRに準拠したルーブリックを用いて質的に評価することで,形成的なフィードバックを与えることができ,学習や指導の見通しを立てるための助けになる。Write[Can-Do]展示会についての感想をブログの日記に書くことができる。CEFR評価B1S流暢さ発音評価タスク達成条件 A[1]B[1] C[1]D[1]評価タスク達成条件A[2]B[2]条件A:ドローンまたは自動運転車の利点を簡潔に説明している。[1] ドローンまたは自動運転車の利点を現状の問題も含めて詳しく説明している。[2]条件B:サービス開始への希望など,自分の感想を簡潔に述べている。[1] サービス開始への希望など,自分の感想を,その効果とともに述べている。[2]途中での言い直しや言い換えはあるが,発話を比較的長く続けることができる。時折間違いもあるが,おおむね適切なイントネーションで明瞭に理解できる。条件A:声の調子(大きな声ではっきりゆっくり話す)[1]条件B:表現力(強弱をつけて聴衆にメッセージを伝える)[1]条件C:姿勢・ジェスチャー(姿勢を意識し,身振り手振りを効果的に交える)[1]条件D:表情・目線など(表情を意識し,聴衆全体に目を配る)[1]不自然な間や言い直しが時折見られるが,発話を続けることができる。繰り返しを求められることもあるが,大体の場合理解できる程度にはっきりしている。A2+☆[4]☆[4]間や言い直しが顕著で,切れ目が不自然なこともあるが,発話を続けることができる。理解をするのに努力を要することがあるが,多くの場合理解できる。A2B◎[3]○[2]◎[3]○[2]言葉に詰まったり,言い直しでかなり間が空いてしまい,発話が理解しづらい。発音が不明瞭な部分が多く,言いなれた表現以外は理解が困難な部分が多い。△[0-1]△[0-1]9-3. ルーブリックに基づいたパフォーマンス評価(書くこと)書くことのパフォーマンス評価は,Unitではタスク活動を通して行い,スピーキング評価と同様にCan-Doで示されたタスク活動の到達指標に向けて,タスク達成の条件を設定することができる。以下に示すUnit 1のWriteを例にとると,それぞれの達成条件は,Write More+に示されているCEFRのA2レベルからA2+レベルへの改善例のモデルの下に記載されたAとBのポイントに該当しており,紙面に示された具体的なパフォーマンスベンチマークを参照しながら,達成度の評価を行うことができるようになっている。なお,CEFRレベルの表記は目安であり,主に談話展開の度合いに基づいて設定している。
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