19にすることをねらいとしている。ここでは会話の展開例として2つの方向が示されており,それぞれどのような続け方が適切であるか選択肢から選ぶ形式で確認する。ここで選択する表現には「応答する」や「提案する」などの機能も示されており,そのUnitで扱われているトピック以外について話すときにも,さまざまな場面で活用することができる表現が使われている。ただ解答を確認して終わりにするだけではなく,今後の話す活動の中で生徒が積極的にそれらの表現を活用することができるように,指導及び練習を行っておきたい。指導を行った後の2回目の活動ではあるが,当然この段階でも言語面で生徒の発話内容が完璧であることは難しい。誤りの指導については,過度に正確さを求めるのではなく,まずは発話されている内容を十分に受け止め,やり取りができていることを重視しながら,少しずつ正確性を高めていくように指導を行う必要がある。Model Dialogueでは内容面から生徒の支援を行い,Speak Againにつなげる活動としているが,各Unitで扱うトピックの内容によってはすでに十分な背景知識が生徒自身に備わっており,Useful Expressionsで言語面の支援を行った後,すぐにSpeak Againに移ることができることも考えられる。その際は,Speak Again を行った後でModel Dialogueの内容を確認するなど,順序を入れ替えて指導を行うことも可能である。Speak Againの活動では,生徒に「できる」という自信や達成感を感じさせることが何よりも重要である。ペアによってやり取りの善し悪しの差は当然出るところではあるが,少なくとも目標であるCan-Doについては,全員の生徒が達成できること,また生徒自身に達成できたと感じさせることがこの活動では不可欠である。教師はそのことが可能となるように一連の活動を関連づけ,決して生徒が「結局できなかった」という感覚を持ったまま活動を終えることのないように注意したい。教師は生徒の活動をよく観察し,教科書では扱っていない表現や内容を効果的にやり取りの中で使っていることに気づいた場合には,活動後にクラス全体で共有するなどして,教科書からだけではなく,自分たちの活動自体から学ぶ経験をさせると,生徒が英語を使う意欲を高めていくことにつなげることができるだろう。7-9. Speak Again以上の活動を経た後,最後に行うSpeak Againでは,生徒はSpeakで行った活動にもう一度取り組むこととなる。実際の活動に入る前に,もう一度1回目のSpeakで行った自身の発言を振り返り,表現できなかったことについてはUseful Expressionsを踏まえ,どのように表現するか考えさせ,発言の内容についてはModel Dialogueを踏まえ,何を伝えるとやり取りがよりよくなるかを考えさせるなど,準備の時間を与えることで,生徒にとってSpeak Againに取り組むハードルを低くすることができる。どの程度の準備時間を生徒に与えるかはタスクの難易度やトピック,生徒の実態等によって異なってくるが,十分な準備時間があれば,対話を続けられるようにするだけではなく,即興的なやり取りができるようにつなげていくことも,教師は忘れないでおきたい点である。また,この活動では必ずしもModel Dialogueで提示した内容を用いてやり取りを行う必要はない。参考にすることは構わないが,自分自身が使いたい表現や伝えたい内容があれば,やり取りの中で使うようにし,決してこの活動がModel Dialogueの暗唱をペアで行う活動とならないように注意しておきたい。
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