探求 論理国語 ダイジェスト版
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ら競争相手としての「K」の心理を分析することに没頭する。かつて自らをかんで彼の未亡人に向かって娘との結婚の許しを求めるのである。この一瞬だけ、彼はあたかも情念に駆られた人のように行動するのであって、ここではまさに、愛の成しえなかったこ心情や思い出をのうちへ来るのですか。」ここでもこの間の言葉がまた先生の口から繰り返された。「あなたは私に会ってもおそらくまだ淋しい気がどこかでしているでしょう。私にはあなたのためにその淋しさを根元から引き抜いてあげるだけの力がないんだから。あなたはほかの方を向いて今に手を広げなければならなくなります。今に私のうちの方へは足が向かなくなります。」先生はこう言って淋しい笑い方をした。短い一節に、「淋しい」積極と性いをう妨言げた葉分は析も能ど力はか、し今げやに内側九か回らも外繰側にり向返けさ変れえらてれい、て人、生の作勝者負がを、生き延びこの一語にきわめて痛切るなた、めしの武か器しと、し何て使やわられ捉始えめるがこたといに、なる複。雑そなし実て、感懊おをう悩のう込のめあげよくうにと、しついてに「K」いる印象は明らかであるの。決そ心しを見て定、め実た際と思、っこたのと早き、口「の先生述1」懐はをほ読とんんどだ発だ作け的にで、も前、後主の見人さ公かのいもな10く、1述述懐べる こと。言う「淋しさ」が単純な孤独感ではなく、もう少し微妙な、そして深刻な人間の内面状態を指していることがうとかをが嫉わ妬がれ彼るのだ上ろに成うし。遂げた、というべきであろう。第一に、「先生」と呼ばれるこの中年の主人公は、青春に特有なあのめまぐるしい活動性が、内にあふれる活力の表現で演 あ習るよりは、むしろ、癒やしがたい「淋しさ」の現れだと感じ取っている。「 1 し動「て先い述生べて」て何のい淋かるしかにさ、ぶの説特つ明徴しかをてり、み筆たよ者ういは。」どののよはう、なも好の奇と心や支「 「配こ先こ欲生ろや」」の、を抱読言えんいてでいみるよ15淋うしさは、「先生」の言葉や行動論文を読む論文を読む 2 「先生」の淋しさと「青年」の淋しさの共通点をまとめてみよう。55にどのように表れているのだろうか。実際に「こころ」を読んで、感じ取ってみよう。・教科書220ページ論文を読む②漱石の「こころ」で描かれる「淋しさ」は単純な孤独感ではなく、複雑で深刻な人間の内面状態を指す―「こころ」の世界の核心に迫る評論です。47220212

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