探求 論理国語 ダイジェスト版
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心とは、感情とは、人間が人間どうしや、人間とロボットの相互作用を見て感じる、主観的な現象である。そして、それは優れた直感を持つ演出家の力を借りれば、十分にロボットでも再現可能なものである。また、加えて大事なことは、人間は自分に心があるかどうかはわからないが、他者は心を持つと信じることによって、自らにも心があると思い込むことができることである。それでも、いろいろなことを考えたり感じたりしている自分を実感することはできる。「それは立派な、心ではないのか?」と反論する人も多いと思う。しかし、いろいろなことを考えたり感じたりするというのは、本当の自分がわかっているということとは違う。我々ロボット研究者にとって大事なのは、「少なくともこのように考えれば、人間の心はロボットでも再現可能である。」ということである。例えば、ロボットにセンサーを付けて、ロボットがそのセンサーからの情報に反応するように見せるプログラムは作れる。ロボットが、与えられた課題を解くために、考えているように見せるプログラムも作ることができる。「本当に感じているか、考えているか」は、少なくとも、人の心を考えるときは問題ではなく、「自分がその人の行動を見て、その人が感じたり考えたりしていると思うかどうか」だけが問題となる。「ロボットは心を持つか」(一一七ページ)の〔参考〕として石いし黒ぐ 浩ひし 5ろろそもそも心とは何か評論Ⅳ評論×評論心とは、感情とは、主観的な現象であり、ロボットでも十分に再現可能なものだ―ロボット研究の第一人者の文章を参考に、評論「ロボットは心を持つか」の内容理解を深めることが可能です。2310124

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